Johns Hopkins University留学体験記

M3 male

<はじめに>

3/24-4/23の間、Johns Hopkins University (JHU)Emergency Department (ED)で実習をさせて頂きました。当初は1,2月の予定でしたが、私の力が及ばず、再アプライしてなんとか実習の機会を得ることが出来ました。以下感想なのですが、私見も多々入っているので参考までに留めて頂ければと思います。あと文章力ないですが許して下さい。

 

<準備>

やることは沢山ありましたが、その中でも一番大変だったのが、返事待ち、でした。今思えば焦らず準備してじっくり待つべきだったと思います。

まずJHUの推薦に関してですが、基本的に成績、やる気、ホルムズ先生との意思疎通によるものだと思っていたので特に不安は無かったです。

次に英語の試験ですが、USMLE step16月に、TOEFL9月に受けました。今思えばもっと英語(TOEFL)の勉強をしていれば良かったと後悔しております。医学英語に精通しておくと医療現場では色々発言出来て楽しいですが、speakinglisteningも鍛えて置かないと帰国子女でもない限り日常会話には苦労します。特に現地の人達ははっきりenunciateしないので聞き取りにくいです(え?!、この人今なんていったの??、みたいなのが多々あります)。英語のリスニングテストのように聞き取りやすい英語で話してくれる人もいるのですが半分くらいです。僕たちも友達同士で話すときはenunciateしてせずに普通に話してしまうので外国人からすると聞き取りにくいのだろうと思います。

 VISAやワクチンなどの申し込みの事ですが、もうこれが凄い面倒で、手続き事に慣れている方々ならなんてことないと思いますが僕はずっとイライラしっぱなしでした()。でもVISAの事に関しては思ったよりスムーズに行きました。というより、acceptance letterがない状態で普通に申請して10年分のVISAを貰いました。恐らく、過去にアメリカに旅行に行ったことあったりビザをとった事があったりすると貰い安いのだと思います。

 で、僕は残念ながら1,2月は無理ですというrejectionVISAの面接当日の朝に来たのでかなりメンタルがやられて、それでもVISAの申請には行きました。辛かったです。とりあえず、丸山先生に相談してもう一度JHUにアプライすることにしました。10年間落ちた人がいない中で、初めて落ちたので恥ずかしいです。落ちた原因を今考えると、僕のTOEFLの点数(93)が足りなかったから、personal statementが立派じゃなかったから、何度も(3回)Emmaさんにメールで確認をしたから、などが思い当たりますが、、、実際はなぜなのか分からないです。とりあえず、USMLEの点数だけではどんなに良くてもダメです。アメリカも人間力を重視するので、personal statementや会話力(日本人ならTOEFL)など万辺なく準備して臨むのが良いと思います。僕は今回の件で色々反省しています。

 あと、家探しですが、基本的に埋まっています。なんでこんなに年がら年中埋まっているのか知りませんが埋まっています。僕はHopkinsの住居探しのroommate募集に登録したところowner側から「私の家ではどうか」と連絡がありそこにしました。5週間で家具付き、お風呂全て込で950$でした。JHUまで凄く近くて夜中歩いても安全なエリアだったので過ごし易かったです。

 そして運転が得意な人は国際免許を採って車を借りると良いと思います。僕はペーパードライバーなので車を借りる自信がなく、Hopkinsの友達の車に乗せて貰い色々なところに連れていってもらいました。

 以上とりとめもなく書きましたが最後にまとめますと、

l  USMLETOEFLpersonal statementを手を抜かずにきちんと準備する。(TOEFL100点以上が望ましいと感じました。)

l  手続きが全て済んだら辛抱強く待つ。催促はしない。

l  バイトをしっかりして貯金を増やす。普段から運転したり自炊したりしてみる。

 

<実習の内容>

 総じて今までの勉強の成果を発揮することが出来てとても楽しいかったです。週に8時間(7am-3pm, 3pm-11pm, 11pm-7am)のシフトを4回行う事になっており、それに加えて、カンファやクルズスが週に数回ありました。シフト中やることは東大でのそれと基本的に同じでしたが、少しだけ異なる点としては、学生が一人で問診(Hx)・身体診察(PE)を行い、それを研修医にプレゼン出来ること、その後、研修医がもう一度患者さんに出向いて診察し学生にフィードバックをするということでした。また、腰椎穿刺(LP)など多少侵襲的な手技も経験することが出来ました。最終日2日前にプレゼンがあります。

 シフトに関して少し書きます。各シフト学生は2人までです。チームが2つあり、各チームattending 1, resident 2人(PGY4, PGY2 or 3)で構成されています。学生はPGY2 or 3の下について実習をします。付いてもらう先生によってシフトの充実度が変わります。(東大病院の実習でも同じですよね。。。)教育的なresidentに当たると多くの課題、feedback、実技の機会を与えてくれて、その逆だと、自分から何か行動を起こさない限り8時間ずっと後を付いて終わります。Hopkinsの学生もどのresidentが、学生を教育してくれるという意味で、良くてどのresidentが悪いのか予め情報を入手して教育的なresidentがいる時間帯にshiftを入れます。或いは教育的なresidentが居るチームに進んで入ります。自分に合った先生を見つけてその人にくっついて実習をするととても色々な事が学べて良いと思いますが、毎回そのようにはならないです。実習をしていくうちに要領が掴めてくると思います。あと病棟には色々な職種の方が働いています。Doctor, nurse, clinical technician, receptionist, social worker、などなど。特にclinical technicianはホントtechnicianって感じでルート採りなんて、全然血管が見えない患者さんでも1発で成功していて凄かったです。

PGYpostgraduate yearの略で、年齢的には以下の通りです。アメリカでは卒後、基本的にはすぐに専門過程に入ります。PGYは科によって異なり、救急では4年、脳外科では7年です。

3rd year

卒後1年目

4th year

2年目

PGY1

3

PGY2

4

PGY3

5

PGY4

6

 Hopkinsの学生(1st, 2nd)と東大の学生(5,6年)との違いですが、対して差はないと思います(勿論普段からしっかり勉強/実習している人限定ですが)。Hopkinsの学生にサボるとかの概念はなかったです。皆実習に夢中でした。恐らく、実習中の態度がmatchingの考慮対象となるからサボれないのだと思います。アメリカの学生は良い推薦上を書いてもらうべく、実習中は自分の有能さを発揮してresidentattendingに一目置いてもらおうとしています。1年生も休日は朝から晩まで勉強漬けの毎日を送っていました。また実習の内容にも僕が見ている限り、患者さんのHxPEをとったりする以外は余り差が無かったです。手技についてはやる気と能力に応じて機会が与えられ、残りは基本的に研修医について回る感じで、どこの国でも同じなんだなぁと実感しました。私が経験出来た手技で思い出に残っているのは、FAST, LPくらいです。動脈のルート確保はやらせてもらったのですが上手く出来なかったです。東大病院の実習で一つでも多くの手技をマスターしておくと実習中色々活躍出来てより楽しいと思います。外科を回っているHopkinsの学生にも尋ねたところ手術中はやはり立ちっぱなしが殆どのようでした。

 実習を通して感じた事は、学生(研修医)に必要なのは、医学知識は勿論のこと、見て学びすぐに実践出来る器用さだと思いました。東大生なので、本を読んで知識を付けるの簡単なことですが、(上級)医師がやっている手技を観察してすぐに自分の物にする能力は人によって様々だと思います。私の場合は器用さがそこまで無かったのでエレクラでは少々苦労しました。同時にこれからの課題を見つける事が出来て良かったです。

 以上まとめますと、

l  本を読んで知識を付ける。見て学ぶ能力を鍛える(実習中の手技を注意深く観察する)。

l  学生のやる気さえあれば、アメリカも日本もやらせてくれる手技の違いに大きな差はない。

l  アメリカでは、HxPEが多く経験出来る(学生のノルマのベースラインの一つとして定められている)。

l  エレクラで海外に行く前に一つでも多くの知識・手技を身に付けると、より良い実習を送れる。

 これは学生中に少しでも学ぼうとする意欲があればという話です。研修医になれば皆さんやることはきっと同じなので、学生中に遊んだり、アカデミックな勉強以外に挑戦・熱中するのも多いに良いと思います。

 

<謝辞>

最後になりましたが、エレクラの間私にこのような機会を与えてくださった先生方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

何度もお手間を取らせてしまいました国際交流室の丸山先生、急な連絡にも関わらず快く受け入れて頂いた、東大脳外科の先生方(中冨先生、石井先生、田中先生、花先生、その他)・東大救急部の先生方(矢作教授、橘田先生)、クリクラの調整をして頂いた堤先生、そしてその他関係者の皆様、この度はどうもありがとうございました。