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JICAプロジェク ト JICAラオス南部母子保健プロジェクト

タイトル:援助の難しさ

本文:公衆衛生学の実習という形でタイとラオスにて15日間実習を行った。メンバーは4人で、実習内容は自分たちの希望を元に神馬先生にアレンジしていただいた。最貧国であるラオスでは、現地の医療の実情とそれに対する支援の現状を見ることがテーマであった。また、現在急激に発展しているタイでは、バンコク市内に存在する格差と医療について考えることがテーマであった。

 具体的な実習の流れは以下である。まず、バンコクに飛行機で上陸、夜行バスで国境付近のノーカインまで移動し、ラオスに入国。タクシーにて首都ビエンチャンに至った。そこで国で一番大きな市中病院を見学し、母子保健プロジェクトを企画しているJAICAの職員の方々を訪問した。ラオスは医療に関して四段階の施設を持っており、その一番上の施設をビエンチャンで訪れ、その後パクセーで下三段階の病院を訪れた。ビエンチャンから南へ夜行バスでパクセーに移動した。パクセーでの病院訪問はJAICAの職員さんが案内して下さった。パクセーをバスで離れ再びタイに入国してウボンラチャタニを経て飛行機にてバンコクへ戻ってきた。バンコクではホテルのように綺麗な私立のバンコク病院を見た後で,スラム街を見学し、その地区をカバーするヘルスセンターを見学した。その後、バンコクから飛行機で日本に帰国した。

 実習を通して一番感じたことは援助の難しさである。援助は‘してあげる’という感覚がつきまとうわけだが、‘してあげる’ことが果たして本当に相手にとっていいことなのだろうか、という問いに答えるのは難しいと思う。例えば、援助という名目でヘルスセンターに寄付された新生児保育器があったが、それは本来の目的は忘れられただの台となっていた。本来、現地の人の為になるであろうと考えられ寄付されたものであろうが、もっと有意義なお金の使い方があったろうに思う。また、CTなどの日々の医療に使われる機械をJAICAなど色々な団体が寄付するために現地の人の‘自分達で解決する’という意欲がなくなっており、寄付をただ待つ受動的な人間へと調教しているという側面も援助にはあると実感した。我々は自分達の考えられる範囲で、人の為にと努力し、援助するのであるが、その結果が果たして長期的な目線で本当に人の為になるのかどうかはわからない。しかしながら、そんな状況の中でも、自己満足以上の結果が得られるように努力し、最終的には自己満足かもしれないという謙虚さをもって、援助と向き合って行くしかないのかな、と感じた。