M3 Male

 

U期 The University of Sydney Northern clinical school

 

2014127日から221日までの4週間、シドニー大学系列のNorthern clinical schoolで実習させていただきました。僕はそのうちのRoyal North Shore Hospital(RNSH)という病院のendocrinologyでの実習でした。

 

1. なぜシドニー大学を選んだか

まず、僕の場合は明確に海外で働きたいという意思はありませんでしたし、とくにどこで実習をしたいという希望も決まっていませんでした。海外には旅行でしか行ったことがなかったので、英語力にも自信はなかったです。M1M2のころから英語で医学の勉強をしていたわけでもありません。ですので、海外での実習については、漠然と行ってみたい、でも英語力には自信がない、でも行きたい、でも英語は無理…といった思考サイクルを幾度となく繰り返しました。

そんな中、国際交流室の過去の体験記を読んでいて、シドニー大学のElectiveUSMLETOEFLTOEIC、面接も必要ない、実習確定がわりと早い、治安が良い、などの理由から申し込むことに決めました。東大の先輩方が例年行かれていることも決め手の一つになりました。

 結論から言うと選んで正解でした!今年は東大から4人もシドニー大学に行ったのでそれも助けになりました。

 

2. 準備

正直言って準備はとても面倒でした。シドニー大学は個人で直接申し込む形になりますので、準備に関しては国際交流室の面接を受けて協定がある大学に申し込んだほうが楽でした。

2014年の実習の申し込みは前年の6月から始まりました。救急やメジャーな診療科は早く埋まってしまう傾向があるので行きたい人は早めに申し込んだほうがいいです。学費は4週間で900ドルでした。

@    申し込み…必要書類はApplication package、推薦状、保険(MIPSなど)

Northern clinical schoolElectiveのページにあるApplication packageに必要事項を記入してスキャンしてメールで送ります。この書類の中に滞在先を記入する欄がありますが僕は未定で提出しました。推薦状とMIPS(無料で入れる保険)も必要なので、61日に申し込みたいなら5月半ばからそれらの準備を始めるとちょうどいいと思います。それとワクチン接種については後々証明書も必要になるので、母子手帳や接種記録を持っていき国際交流室で発行してもらいましょう。ワクチンは3種混合を受け直したりと大変でした。

A    仮受け入れのメールがきます。ここでenrollment feeとして100ドル払い、3週間以内に書類の原本、Application packageのリストにある疾患のワクチン接種証明書を送ります。

B    Aが完了したら先方から受け入れOKのメールが届きますので、残りの学費800ドルを払い、犯罪経歴証明書(CPC)National Police Check(NPC)の準備を開始します。ちなみにここもわりと面倒です。この2種類は実習が始まる3か月前までに送れと言われました。

犯罪経歴証明書は、住民票がある都道府県で発行(12週間)NPCAustralian Federal Police(AFP)のサイトから申請します。NPCの申請に当たり、銀行の残高証明が必要だったのでそれも申請しに行きました。

 

3. 実習

初日にオリエンテーションがあり、図書館、学生実習室、ロッカーなどの説明を受けました。オリエンテーション担当のElective coodinatorがいきなり30分遅れてくる、指定された病棟に行ってもここに内分泌の患者はいないと言われ、たらい回しをくらう(2)、結局入院ではなく外来棟に行くも30分待ってやっと担当らしきドクターに会える、という感じでしたので初日はけっこう疲れました。

最初の2週間は入院患者がいなかったためひたすらいろいろな先生の外来を見学していました。見学がメインでしたが、血圧や簡単な身体所見を取らせてもらうこともありました。また先生が席をはずした際に患者さんと会話もできました。外来だったこともあり、病棟に比べると先生が比較的ゆっくり話したりわかりやすい表現を使っていたと思うので全く会話がわからないということはありませんでした…が、やはり会話についていくのは困難を極めました。

外来でみる疾患はやはり糖尿病、Grave’s disease、骨粗鬆症が多かったです。その中でも2週間外来にいる中でLaurence-Moon-Biedl syndrome70歳男性という非常にレアなケースも見ることができました。イギリスと同様に血糖値やカルシウムの単位がmg/dLではなくmmol/Lだったので最初は戸惑いました。

後半2週間は入院患者が2人できたので、そのうちの1人を紹介してもらい、病歴、身体所見を取らせてもらいました。午前は外来見学、午後は病棟へ行って患者さんのところへ行く、Internについて回るというスタイルになりました。英語でのコミュニケーションは難しかったですが、重要なところはわかるまで聞き返しました。また、実習の終盤にIntern2人と現地の学生1人と点滴の練習をしました。会話の中で、シドニー大学の実習は東大病院のものと似ているなと感じました。

実習の服装はチノパンに長袖シャツに聴診器を首から下げるというスタイルでした。白衣を着ないため、ポケットがなく貴重品やメモ帳の携帯には不便なので、小さいショルダーバッグがあると便利です。ドクターは男性はチノパン+シャツ、女性はワンピースなど自由な感じ、ナースはスクラブを着ていました。夏ですがそこまで暑くもないし病院内は冷房が効いているので長袖が良いと思います。

4. 滞在先、現地での生活

僕はホームステイを選びました。だらだらしていたらステイ先を選ぶのが遅くなってしまい、決まったのは12月でした…

ElectivesのページにあるAccommodationに載っている家にメールを送り、その中で返事が来たことろで条件の良いところを選びました。

家はRNSHからバスで10分ほどの場所で、朝夕食事つきでした。家賃は4週間で1000ドルでした。ホストファミリーはとても親切にしてくれましたし、門限や食事、シャワーの時間など規則は一切ありませんでしたので、自由に生活できました。

5. その他、観光など

今年は東大から自分を含めて4人がシドニー大学に行ったので、そのメンバーで観光していました。実習が終わる時間が早めだったのでシティをぶらぶら観光したり動物園行ったりサーフィンしたり…週末にはBlue MountainsAyers Rock、サッカー観戦、タスマニア島など、十分満喫できました。

あと物価は高いので(日本の1.52倍くらい?)、お金は大目に見ておいたほうが良いです。僕はクレジットカードは2枚持っていきましたが、JCBはシドニーではほとんど使えませんでしたので注意してくださいね。

最後にですが、僕は英語できませんし、TOEICTOEFLも受けたことがありませんでした。SpeakingLlisteningもできないという最悪の状況でとりあえず行ってみたという感じでした。行く前に事前勉強などもほとんどしていません。医学英語くらいはもう少し勉強していくべきだったとは思いますが、良い経験ができたので行って良かったと思っています。迷っている人はとりあえず行ってみましょう!

 

また今回の留学は丸山先生をはじめ、多くの方のお力添えがあって実現した実習でした。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。