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私は2014年1月から3月の3か月間、University
of PennsylvaniaのInstitute for Translational Medicine
and Therapeuticsで動脈硬化の研究をさせていただきました。
3か月間、研究でも日常生活でも大変貴重な経験をさせていただいたので、ここにご報告させていただきたく存じます。
2013年6月頃に、国際交流室のofficial affiliationでUniversity of Pennsylvaniaに3か月間留学させていただけることが決まり、少しずつ準備を始めました。具体的には、ラボ探しや滞在先探し、Visaの申請や健康証明書の発行などです。
2014年1月からの実習だったので、2013年12月末に渡米しました。今年のアメリカ東海岸は厳しい寒さに見舞われ、Philadelphia入りした日も激しいsnow stormの影響で交通が乱れており、大変な引っ越しとなりました。
私がお世話になった研究室は、動脈硬化の世界では世界トップレベルの有名なラボで、grantもたくさん取っていて世界中から優秀な研究者やPhD candidateが集まっており、総勢40名ほどの大きなラボでした。
私はまず、その規模の大きさと研究環境のよさに圧倒されました。研究に必要な頭脳・労働力・設備は全て十分に整っているようで、このようなラボに参加させていただけることに期待が膨らみました。
アメリカでは、日本の「先生」に相当する呼びかけ方が一般的でなく、ラボで誰かに話しかけたい時には必ず名前で呼びかけるため、ラボでの研究生活はメンバーの顔と名前を覚えることから始まりました。こっそりメモを作り、ラボをうろうろしてひたすら覚えました。この努力はあとあと良好な人間関係を築く上で非常に役立ちました。
研究面では、Genome-wide
association studyで見つかった遺伝子のノックアウトマウスを作ってwestern dietなどの負荷をかけ、phenotypeを見る、というprojectに参加させていただきました。
Backgroundがわかっていないとmeetingやdiscussionにはついていけないので、ポスドクの先生のご提案・ご協力により、まず最初はその分野におけるbackgroundの知識をつけてその内容をpresentationにまとめて発表させていただきました。自分でpresentationを作って人に説明しようとすると、自分が理解できていない部分・もっと詳しく調べなければいけない部分がどこなのかがわかりやすく、非常によい勉強方法でした。また、英語でのpresentationの仕方も指導していただき、大変よい経験となりました。日本語と英語だとpresentationの仕方が全く違うので、この経験は今後も生かすことのできる、貴重なものだと思います。
大きなラボだと人間関係が希薄になるのかと思いきや、メンバーの協力関係は強く、ボスが優秀である上に様々なbackgroundを持った人々が集まっているので、meetingで自分の研究内容・進捗状況を発表したら必ず複数のsuggestionをもらえるような素晴らしい環境でした。ラボ全体で一丸となって前進していく様子をひしひしと感じることができました。また、PhD candidateも8人ほどいたので、割と年齢が近い友達にも恵まれ、色々なことを気兼ねなく質問したり、週末に遊びに出かけたり、研究以外の面でも非常に充実した3か月間を過ごすことができました。
病院実習の日常とは全く異なる環境に身を置くことで、確実に視野が広がり、また、将来のことも落ち着いて考えるよい機会だったと思います。もちろん、準備は大変でしたし、慣れない環境での生活は不自由な点もあり、特に治安面では苦労しましたが、このラボに留学させていただいて、本当によかったと思っております。
今回の留学に際しまして、国際交流室の先生方、日本で通わせていただいていたラボの先生方、応援してくれた家族、友達、アメリカでお世話になったラボの皆様、奨学金でお世話になった先生方等、本当にたくさんの方々のご支援がなかったらそもそもこの留学できなかったし、こんなに素晴らしい3か月間にはならなかったと思います。お世話になった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。