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 The University of Sydneyの関連病院Royal North Shore Hospital

@1/26~2/20 General Medicine A2/23~3/13 Aged Care & Rehabilitation

計7週間実習してきました。

 

 

⑴なぜRoyal North Shore Hospital(The University of Sydney)にしたか?

 私は、「絶対に将来海外で働きたい!」と考えている訳ではありません。

・外国人が増えているし、日本でも英語での診察などが求められることもあるのではないか?

・学会等で、英語が必要となることもあるだろう。

・外科志望であり、将来的に機会があったら留学して症例を積みたい。

・自分、英語出来なさ過ぎない?

などと考えました。なので、目的としては「英会話」の上達というのが一番に来ます。英語圏で、エレクラをキャンセルされる恐れがなく、期間も自分が指定した通りに決まる海外実習として、部活の先輩も行っていたシドニー大学の病院を考えました。医学的なこととしては、「現地の医学生向けの授業を受けてみたい。患者の診察をしてカルテを書く。」といったことを目的としていました。

 海外で実習をするなら、自分が何をしたくて何のために行くのかといったことを明確にして行きましょう。病院では恐らく、「何がしたい?」と聞かれます。自分の英語力とやる気次第で、実習の内容は大きく変わることになると思います。

 実習科を決めるにあたり、行くまでに幅広く勉強するモチベーションになる科としてGeneral MedicineAged Care & Rehabilitationの2つを選びました。

 

 

⑵受け入れが決まるまで

 国際交流室の体験記を参考に準備しました。

http://koryu.m.u-tokyo.ac.jp/hp07.html

 前年は6月に応募開始とあったのですが、私の時は遅れて7月でした。近くなったらシドニー大学のwebページをチェックしましょう。「○月○日より募集開始」とか書いてあるはずです。

http://sydney.edu.au/medicine/northern/electives/index.php

 

■必要なものは、

@ 上記サイトにあるフォーム(科だけでなく、病院の候補も5個くらいあります。地図で確認しましょう。私が実習をしていた病院が最も大きく、都心部にも近めです。)

A 英文推薦状(国際交流室ページ参照)

B オーストラリアの保険(医療事故用、MIPSとかいうやつ。無料で申し込める。実習先を記入する欄があるが「未定」でOKだった。)

⇒これで科を仮押さえ。早い者勝ちです。

 

■その後、授業料をネット上で支払い、

@ 英文で抗体の証明(保健センターに頼みました。三種混合がオーストラリアの基準を満たしておらず、ワクチン接種しました。)

A 英文で犯罪証明書(警察庁に行く。「犯罪証明書 英文」とかで検索してみてください。)

B a National Police Check from the Australian Federal Police

(シドニー大学ページにリンク有。銀行の英文残高証明とかが必要で、それを手に入れるのに1週間。これを手に入れるのに、更に1~2週間かかる。)

C IELTS 6.5 or TOEFL 570 or TOEFL 88

⇒これで終了

 

 あとは、11月〜12月くらいに宿探せば良いと思います。これもシドニー大学のページで紹介しているホームステイを利用しました。ホームステイの場所もgoogle mapで調べたりすると良いと思います。

 私はLane Coveという所に住んでいました。病院までバス以外の交通手段が無く、慣れていないとバス停なども分からず、その時は携帯の電波も持っていなかったために、初日は迷子になって3時間ほど歩き回りました。通りがかりの人に道を聞いたら、その人がカーナビを使って私の家まで送ってくれました。あとはスーパーまで上り坂で徒歩10分とかが億劫でした。こういったことは行ってみないと分からないですが、実際にオーストラリアに行った人に聞いてみるのも良いかもしれません。問題点ばかり挙げていますが、良い所でした。非常に満足しています。

 

 

TOEFL

 今回、10人ほどの学生がシドニー大学に応募したせいで、後から実習条件としてIELTS 6.5 or TOEFL 570 or TOEFL 88を求められました。私は5月頃に試しに受けた(この時点では実習条件として必要ないはずでした)時に87点だったので、受け直さなければならないことになりました。

 来年以降も、この条件(もう少し厳しくなる可能性もあります)は残るはずです。そもそも海外実習を考えている人は、どこに行くにしろ受けた方が良いと思います。

 

 

 

⑷必要なもの

 病院内での男の服装はシャツ・スラックス・革靴、女の服装は様々でした。白衣は要らないです。聴診器はあった方が良いと思います。

 向こうは夏ですが、夜は半袖半ズボンだと寒いです。昼間も日本の夏ほど暑くはないです。病院内も冷房が効きすぎて寒いので、私は現地でセーターを買うことになりました。

 現地での携帯は、@wifiを借りる(3000/週)A携帯のSIMカードを買う(3000/月)の2通りの方法があるかと思います。Aを行うには一度自分の携帯のショップに行き、SIMの入れ替えができるかどうか確認すべきでしょう。Docomoの携帯は基本的にSIMロックがかかっていて、3000円でロックを外してもらう必要があります。大体のステイ先でwifiがあるはずなので、問題になるのは携帯だけだと思います。SIMを入れ替えれば、現地の携帯として使えるので電話も使えます。病院内で指導医を探す時や店の予約をしたい時などに便利でした。

 物価は高い高いと言われますが、高いです。コーラの600mL400円、病院のカフェテリアで昼ご飯を食べると900円くらいです。現金で10万ほどとカードを3枚持って行きました。1枚だと限度額に達するかもしれません。Devitカードを作れば、日本の自分の口座からオーストラリア$として引き出せるので便利です。

 

⑸実習内容

 全体として大学病院というより、市中病院という印象です。2年ほど前に建て変わったらしく、綺麗な病院です。毎週金曜日にはシドニー大学の学生向けに講義を行っています。毎週火曜日には、昼休みに病院のスタッフ・医者・学生を対象としたグラウンドラウンドもあります。実習としては、東大病院での実習を英語にしたとイメージしてください。回診があって、クルズスがあって、試問(現地学生は毎週水曜日に、病棟から自分で選んで来た患者に対し、診察をしてプレゼンを行う(long case presentation)を行っています)があって、という感じです。

 病院内は様々な人種が居ます。日本人だからといって、見た目で浮くことは無いでしょう。

 シドニー大学の学生がどこの科でも居るものだろうと考えていましたが、科によっては居ないみたいです。学生が居る科のほうが振る舞い方が分かり易いと感じました。

 

@General Medicine (1/26~2/20)

 「総合診療」ってやつです。日本でも病院によって定義が曖昧だったりしますが、オーストラリアでも同じでした。この病院のGeneral Medicine「緊急性は高くないが、数日は入院が必要だろうと判断された患者が運ばれてくる救急」という感じで、どこの科にも当てはまらないような雑多なもの・基礎疾患を多く持っている患者が来ます。現地学生の必修科のようで、シラバスのようなものもできていました。

 初日のオリエンテーションの後、実習担当医のもとに行き、「日本の実習では何をしているのか?こっちではどんなことをしたいのか?」などを聞かれました。相談の上、General Medicineでは前半2週間を救急様の所、後半2週間を病棟で過ごすことになりました。救急様の所では、運ばれて来た患者を診察し、入院させて行きます(あらかじめ入院が必要だろうという患者だけが送られてきます)。1年目研修医(intern)2年目研修医(registrer)1組となって回してました。上の先生は11回回診にくる程度でした。

 まず言われたこととして「electiveの学生は遊ぶべきだ」ということでした。僕は遊ぶことは目的ではなかったので、何かさせてくれと頼んで、患者の診察→internにプレゼンをやりました。その他、採血などもできます。

 鑑別を考えながら診察をして、それを英語で行うというのは、私にとって非常に難しかったです。血圧を測るだけですら、目盛りを奇数で読んでしまったり、挙動不審でした笑。

私が回っている時に、シドニー大学の学生も実習をしており、現地学生の診察を見るのも面白かったです。やることが無い時は、隣の救急科を見に行ったりしました。

 

AAged Care & Rehabilitation (2/23~3/13)

 オーストラリアは老年病やBSCなどが進んでいると聞いていたため、選びました。シドニー大学の学生も実習で必ず1ヶ月間Aged Care & Rehabilitation を選択しなければいけないらしいです。

 こちらでは、指導医が毎日居て、基本的に指導医と行動を共にすることになりました。現地の学生の必修科であり、週間予定表もしっかりと組まれており、カンファ・クルズスなどが明確でした。指導医に頼んで、現地学生の試問に混じりlong case presentationを行ったりしました。

 回診中に指導医に溜め息をつかれることも屢々あり、精神的に疲れました。日本の分化・チャーチル首相・統合失調症について聞かれた時に答えられず、溜め息をつかれたのが記憶に残っています笑。毒舌ながらも構ってくれる良い先生だったと思います。

 

 

⑹その他

 実習の前後に旅行しました。

 実習前には、一人でレンタカーをしてタスマニアを旅行しました。実習のための荷物として40kgほどの荷物を運ぶのに気が滅入りました。シドニー空港で荷物を預ければ良かったと今は思います。

 実習後には、ケアンズでダイビングのライセンスを取りました。3月は雨期であり、私が行った時もサイクロンが来ており、1日は中止になりました。