Clinical Clerkship report

M3 male

私は2~3月の2か月間、Tulane Medical Centerにて実習をさせていただきました。

 

1そもそも

なぜ志願したかということですが、米国の医療に関心があったからというわけではなく、将来の進路を考える一助にしたかったというのが正直なところです。なので何か特定のものを学びに行ったというよりは、あちらの先生について回って間近で現場の医療を体験しに行ったという方が正確でしょう。しかし、得るものは大きかったと思っています。

 

2渡米まで

日本でのclinical clerkshipなら自分の希望を出してそれでおしまいですが、海外での実習となると色々と準備するものが多く大変です。

英語面接と日本語面接から構成される国際交流室の審査にパスしたのち、ホームページに記載されている募集要項に従って各種抗体検査の結果、CVPSなどを送りsurgeryにて受け入れ可能との連絡を受けて渡米という流れでした。Tulaneに関して言えば一番やっかいなのは、協定校ではないため受け入れ可否が不明確ということです。Clinical selectiveの責任者の方が不在なことが多く、なおinternational visiting studentはアメリカ国内の医学生がすべて振り分けられた後に空いている枠に入れもらうという形なので結果何度も電話で受け入れ状況を確認しなければなりませんでした。結局surgeryを回ることが決まったのが12月の中ごろでそれぐらいからVISAを発行したり航空券をとったりと直前はてんてこ舞いでした。Usmle step1toeflのスコアは要求されませんが、当然のことながら勉強をしていくことをお勧めします。特にlisteningができないと指示が聞けず、コミュニケーションも取れないのでやっておかないと悲惨なことになります。

 

3生活

Tulane Medical CenterLousianaNew Orleansにありますが、jazzの発祥の地として有名なようで、病院の近くの繁華街であるフレンチクオーターにはよく音楽を聴きに足を運びました。昔スペインの統治下だったということもあって時折スペイン語を歩いている最中に目にしました。

アメリカでも南部の方なのでAfrican Americanの比率が高い、というか観光客を除いた現地の方はみなAfrican Americanの方という印象でした。本屋にもAfrican Americanというジャンルが設けられているほどです。訛りが非常に強く普段聞いている英語とはだいぶかけ離れているので聞き取りには苦労しました。最初はほとんど何を言っているかわからないという状態でしたので。また、過去にtulaneに行った先輩の話によればアメリカでも三番目ぐらいに治安の悪い地域ということで、大丈夫だろうかと心配でしたが夜遅く外出しなければ問題ありません。ただパトカーは四六時中サイレンを鳴らしながら日中でも走っています。

 

4実習

4-1 SICU(surgical intensive care unit)

日本でいうところのICU2月中実習しました。特徴的だったのは、日本と違ってgunshotなどの外傷の患者が多いということでした。Connecticutの事件もありましたし、銃社会というものを内側から観察することができました。

実習内容は、朝8時ぐらいにattendingの先生とroundがありその後病院のカフェでresidentの先生と一緒に朝食を食べ後、患者に関連した疾患などについてまたattendingの先生とdiscussionするというものでした。先生はみな教育熱心な方ばかりで、基本的なことでもこと細かく教えて頂きました。

しかし、残念なことに電子カルテのIDが実習終了までに受け取れなかったので紙のカルテに患者の病状理解を頼ることになってしまい細かいところまで理解するには至りませんでした。

 

4-2 neurosurgery

3月はneurosurgeryでお世話になりました。近くにOshner病院というtulaneより有名な病院があり比較的裕福な人はそちらの病院にかかるため、tulaneの症例数は少なく、週に2~3件でした。症例はほとんどといっていいぐらいspineに関してのもので、ヘルニアなど日本で言えば整形外科が執刀する手術が多かったです。

 

5 まとめ

今回のclinical clerkshipを通じて驚かされることは多々ありましたが、Residentのうちから外科系ならば日本では考えられないほどの経験を積めることなどは知れてよかったと思います。その他にも、母国を離れての生活ということで日本人であることを強く意識するようになるなど色々と得たものはあったと思います。

 

最後に、今回の実習を行うに当たり、お世話になった丸山先生、また日米の先生方に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また、大坪修先生の鉄門フェローシップを賜りましたことを、心よりお礼申し上げます。